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チャンスの前髪:大阪人に「冷凍たこ焼き」の発想はない!?

私が最初に冷凍たこ焼きを知ったのは20年近く前のテレビ番組だったとおもう。

その番組では、広島でたこ焼きの屋台を引いて事業をはじめた人物の話が紹介されていたのです。

ところが番組最後では屋台たこ焼き事業ではなく、冷凍たこ焼きを開発してそれを全国に販売する事業で今に至っていると紹介されていた。番組内ではその経緯は触れられずに終わっていた。

その時は 「なんで、いきなり冷凍たこ焼き」 なんだろう、と思ったのをよく覚えている。

というのも大阪人には「冷凍たこ焼きという食品はありえない」からである。

実際私はその時まで「冷凍たこ焼き」という食品があることすら知らなかった、それでスーパーへ行った折などに探して見ると、大きな袋に入った冷凍たこ焼きを見つけたのだ、ただどこのスーパーにでもあったわけではないので、殆どは大阪以外で売られていたのではないかと推測する。

理由その1

大阪人にとって粉もんとは主食と同義で、お好み焼き、たこ焼きがそれであり、
小さな頃からこれを食べ続けていると、人それぞれに必然的に味やスタイルに拘りが生まれてくる。

大阪で食べるたこ焼きは小さなお店の店先の鉄板で焼いたものを船と呼ばれる器に乗せてもらい、上からトンカツース&マヨネーズ、そして青のり、または削り節をまぶしたものである。

故に電子レンジでチンする食材ではない。

理由その2

大阪では家庭でも、たこ焼き作って食べるのが当たり前、晩ごはんの普通のメニューであり、そのために大阪の家庭には必ずたこ焼きプレートが1台あるという都市伝説まであるのだ。

理由その3

大阪での美味しいたこ焼きの定義は、外はカリっと、中はトロ。当然タコの歯ごたえもなくてなならない。

このような複雑な食感は冷凍技術では再現できない と思っている。

これらの理由のために、冷凍食品としては存在できない と ついつい大阪人は思ってしまう。

本場のたこ焼きを知らない人たちが支持した?!

ところが、これはあくまでも大阪人の話であって、関東や東北、九州にいけば元より「たこ焼き」など食べる機会が殆ど無い状況なのだ、一昔前まで、東京ではたこ焼きという名称にもかかわらず、タコの代わりにちくわが入ることも許容されていた。

そんな場所では冷凍たこ焼きでも美味しければ十分受け入れられてしまうのだろう。だって本場のたこ焼き食べたことない人がほとんどだったから。

つまり、大阪人のたこ焼きへの拘りが「冷凍たこ焼き」というジャンルへ挑戦できない状況を作り出していたんだろうと思う 。

だから私はこの冷凍たこ焼きを開発した人を尊敬してしまうのだ・・・

つづく

トップ画像は unsplash.com  Agathe Martyよりお借りしました。

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